A‐L1 法律上、労働契約を結び、要件を満たした場合、当然に年休は、付与されます。
そのため、会社からないといわれても、または「年休がない労働契約」を結んだとしても、法律が優先しますので、付与された後には、年休を使うことができます。
A‐L2 年休をとるには、年休権の付与を前提として、使用者に対して、事前に労働者が年休を取りたい労働しなければならない日(労働義務日といいます)を指定すること(時季指定権といいます)が必要ですが、もう一つ、条件があります。
その条件とは、Q5の主な解答になりますが、会社は、時季の指定があった場合、その時季指定を変更させる権利があり、その権利を行使しなかった場合、年休を取ることができるのです。
A‐L3 退職後は、年休をとることができません。退職は労働契約の解約や終了、言い換えると退職後は労働契約がなくなるためです。当然に労働義務日もないので、年休権の行使もできないというのが理由です。
A‐L4 結論から言うと、原則、できません。年休の趣旨から考えるとわかります。年休の趣旨が「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るため」であって、年休を買い取って年休が使えないとなると、労働者は心身をリフレッシュさせ、次の労働日に備えることができなくなってしまうからです。
A‐L5 会社には、取らせない権利はありません。よく、混同するのがQ4で触れた時季変更権です。というのは、指定した時季に「事業の正常な運営を妨げる場合」に、その日以外に年休を取らせる権利です。
表現の問題かもしれませんが、その日に年休を取ることができなくなりますが、ほかの日に年休を取らせることになります。
A‐L6 パートもアルバイトも労働契約を結んで、仕事をしています。つまり、Q1で説明したとおり、労働契約を結び、要件を満たせば、法律上当然に年休は付与されます。
A‐L7.会社の時季変更権について、単に不行使という状態ではなく、会社に“時季変更権の行使・不行使(「事業の正常な運営を妨げる場合」)を考慮する時間的余裕(以下、考慮の時間的余裕とします)を与え、その結果として”不行使であることが、年休取得の要件(年休取得の解除要件)であり、取得の手続です。
Q7のように会社が年休取得させないといえるのは、当日の時季指定権行使の場合、時季変更権行使の有無に対する考慮の時間的余裕を与えられていないからです。
なお、年休取得するのに、病欠などの理由は問題にならず、適正にA4とA7の手続きがあれば、法律上取得できるからです。
しかし、日本の多くの会社では、就業規則をみると、病欠等の当日(事後)申請を認めています。
この問いを通じて、病気が年休取得の動機は、どう思いますか?ご自身で年休の趣旨や年休取得率等から考えてみましょう!
A‐L8.入社6か月経過した付与日に、年次有給休暇(年休・有給)は、正社員の場合は(多くの場合、フルタイムでしょうから)10日付与され、他方、週3日勤務のパートの場合は、5日付与されます。
この問いのポイントは、労働契約での「所定労働日数」の変更が、どのように付与日数に影響するかです。
答えとしては、付与日に、どの労働契約での「所定労働日数」であるかを確認し、付与日以外で変更したとしても影響はありません。つまり、付与日について、正社員であれば10日付与であり、週3日勤務のパートであれば5日付与となります。
そのため、この問いでは、6か月経過した付与日には、正社員であったため10日付与され、その後週3日勤務のパートに変更になったとしても影響がないため、5日に減らされることがありませんので、年次有給休暇(年休・有給)は、パートになった現在でも10日分使うことが可能です。
A-L9.結論から言うと、シフトでの勤務時間が6時間であって、年休の手当が6時間分相当であれば、問題がないと思います。
というのは、その年休の手当は、年休を取得した勤務日の「所定労働時間(を)労働した場合した場合に支払われる通常の賃金」が支払われているからです。
所定労働時間とは、働くことを約束した時間ですので、勤務日によって労働時間が異なっている場合(質問のシフト制の場合が多いと思います)、その日の勤務日の労働時間が所定労働時間になるのです。
そのため、シフトで定めたその日の労働時間分を支払えば問題がなく、たまたま、いつも(8時間)より労働時間が少ない日(6時間)に年休取得した場合は、6時間分の支給でよいことになります。
なお、年休の手当の支払い方法は、上記のほかに、「平均賃金」または「健康保険法で定められている標準報酬日額に相当する額」があります。
A‐L10. 「違法」とは“労働基準法違反”のことを指すと思いますが、労働基準法においては、有給休暇の残日数の通知義務はありませんので、労働基準法違反ではありません。
もちろん、以前の会社の方が、労務管理上良いとは思います。
順次、トラブル例を増やしていきます。
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無期転換ルールについて、すでに施行されていますが、実際には、条文を解釈し、正確に理解している労務管理担当者は、少ないと思われます。
今一度、条文を紐解き、良く見慣れた図表による理解とリンクできるようにした動画です。
労働契約について、口頭でも成立することを順序を踏まえて説明した動画です。
年休の取得について、文章での説明ではなかなか難しいので、法的にはどのように生じるか順序を踏まえて説明した動画です。
動画は、「時季指定権の行使」を説明したものですが、「年次有給休暇の取得」とした理由には、「年休権の取得(発生)」を含めた時季指定権説全体の説明をすることにより、「時季指定権の行使」の理解を複雑にする恐れがあったため、一般的に「年休の取得」と考えられている「年休権の取得(発生)」後の「実態として、休み、その分の手当てを支払われる」ための法的な流れを説明したものです。
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